Magpul PDR-Cの調整

本日は先日まで開催していた「海外製電動ガンメンテナンスキャンペーン」にお申込み頂いた本体の中で最も依頼の多かったPDR-Cの調整内容を御紹介したいと思います。

Magpul PDR-Cの調整
PDRは以前にも御紹介した事がございますが、独特な構造により他機種と比べて異なる点が多々あります。
分解については慣れてしまえば、構成部品も少ないので意外と簡単に分解組立が行えます。


今回の御依頼内容は下記の通りです。

・内部の点検及び調整
・タペットプレートの調整ならびにタペットスプリング交換
・HOP部の改修
・モーターの交換
・配線の引き直し
・スイッチ摩耗対策
・スプリングガイド交換

交換する部品はお客様にお持ち込み頂きました。

では、メカボックスを取り出します。
Magpul PDR-Cの調整
以前の仕様とモーターの色が異なります。


メカボックス後端からスプリングとガイドを取り外します。
Magpul PDR-Cの調整
極端に短いスプリングが使用されていました。


メカボックスを開けます。
Magpul PDR-Cの調整
全てのパーツを取り外し、清掃後に点検を行いました。


シリンダーヘッド後方からの画像
Magpul PDR-Cの調整
画像でも分かるように、ダンパーの穴位置がずれています。
ダンパーを剥がして作業すると密着具合に問題が起きるので、ポンチにて穴を拡大しダンパーの穴位置を修正致しました。


この画像はスパーギヤの当たりを考慮してメーカーが切削した箇所です。
Magpul PDR-Cの調整
まず、緑の丸の中にあるのがスパーギヤの回転によりできた傷です。

では、なぜこのようになったのか、実際にスパーギヤを載せて調べてみたところ、
メーカーで施した加工が、メカボックスの底面(赤丸と赤丸の間)まで加工されていなかった為に
その部分にスパーギヤの歯が当たり、斜めに回転していたようでした。
この部分の加工は困難かつ、メカボックスの肉厚が薄い部分なので、ひび割れ等を
懸念し、0.3mmのシムを入れる事で回避しました。

また、2個の赤丸の箇所は、この角の部分にスパーギヤの歯先が干渉していました。
この角部は研磨にて当たりを解消しました。

スパーギヤは当たっていた箇所が多かったので、ベアリング式の軸受のアウターとインナーのガタを点検致しました。


次にマイクロスイッチ内の点検を行いました。
Magpul PDR-Cの調整
接点部分の焼けや摩耗はありませんでしたので、接点グリスを塗布して完了です。


今回、お客様から指示された「タペットプレートの調整ならびにタペットスプリング交換」を行いました。
確かにタペットプレートがセクターギヤによって後方へ引かれる際に出来る変形はありました。
お客様はタペットプレートのリターンスプリングのテンションが強いのではないか?という事で
別途、スプリングをお持ち込み頂きましたが、この変形については別に原因があるとみて、
タペットプレートとシリンダーassyを組み込んだ状態で動作確認をしたところ、
ノズルを前方から指で押してみると、中程からスプリングのテンションとは異なる抵抗がありました。

Magpul PDR-Cの調整
赤線で囲われた部分にタペットプレートスプリングが干渉し、2段階的なテンションをタペットプレートにかけていたようです。
特にタペットプレート側に引っ掛けるスプリング側の曲げが甘かったのが主な原因です。
他にもノズル内径とシリンダーヘッドパイプの内径差が少ないのもタペットプレートの動作に抵抗を作っていました。
スプリングの曲げとシリンダーヘッドパイプの加工を行い、お持ち込み頂いたスプリングへ交換して完了です。

今回、0.2gBB弾 ホップ解放状態で95m/s位を御希望とのことでしたので、
SUB ZERO S90 電動ガン用スプリングを使用しました。

モーターはEG1000Sへ変更、シリンダーはインナーバレル長に合わせて加工、
給弾ルートとピストンレールは研磨を行い、配線もお持ち込み頂いた物へ変更しました。
Magpul PDR-Cの調整
以上でメカボックスの作業は完了です。


続いて、チャンバーとインナーバレルの点検です。
Magpul PDR-Cの調整
インナーバレル、チャンバーは清掃を行いました。
ホップテンショナーはお持ち込み頂いた製品へ変更、パッキンについてはマルイ製の物を
お持ち込み頂きましたが、チャンバーの形状に見合っていなかった為に組込みを断念しました。


ホップダイヤルが緩く、動作時に緩む恐れがあったので、Oリングを変更しました。
Magpul PDR-Cの調整


スイッチ接点の焼けを懸念し、SBDをお持ち込み頂いたのでレシーバーにメカボックスを
取り付けた後に装着しました。
Magpul PDR-Cの調整


バッテリーはイーグルフォース製EA 7.4V 40C+αリポバッテリー 1850mAh ミニSタイプを使用しました。
Magpul PDR-Cの調整
キャパシティ値が高く、信頼性の高い製品です。


以上で、全ての作業が完了致しました。
Magpul PDR-Cの調整


弾速を確認します。
イーグルフォース製バイオBB弾0.2gを使用しホップを全開放状態で計測します。
Magpul PDR-Cの調整
最高で95.1m/s、10発平均で94.88m/sとなりました。


以上、今回はPTS製PDR-Cの調整内容を御紹介致しました。

私共では、お持込みによる調整も随時承っております。
お申し込みはメール、電話にてお問い合わせください。
コチラからお問い合せ下さい。

SUB-ZEROスプリングはピークアーマメントオリジナルのスプリングです。
サブゼロスプリングは1本からオーダーメイドが可能です。
現在のラインナップからの変更は勿論、ショップオリジナルスプリングの生産及び量産も随時承っております。
ご質問や御不明な点などございましたら上記問い合わせ先まで何なりとお問合せ下さい。


Magpul PDR-Cの調整
SUB-ZEROブランド製品は卸販売も行なっております。
御希望の業者様はピークアーマメント 担当:関口までお問い合わせ下さい。




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2014年08月05日 Posted by PEAK  at 20:35 │メンテナンス